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第三十五話 地球争奪戦

ロシアとの同盟を断ってから、徐々に状況は落ち着いてきていた。
アメリカやイギリスからの攻撃も無くなり、どの勢力も完全に戦いを忘れたかに思えるほどだった。
日本も強気で行こうという話にはなっていたが、流石に此処までの連戦で皆疲れていたので、再び始まる戦いに向けて英気を養っていた。
そうして全く戦闘の無い日々が1週間を過ぎた頃、とうとうロシアが動き出した。
相手は日本ではなくフランスだった。

月読命「セーフ!セーフ!」
カッチ「ロシアがこっちに攻めてきていたら、月読命が責められる所だったかもなw」
天照皇大神「久弥くんがいうから信じてたよー」
じぇにぃ「だけどぉ~この後どうなるかなぁ~もう少し休憩したかったけどぉ~戦いがはじまりそぅ~」
爽真「リナさんのいう通りです!全くロシアは」
チョビ「本名出ちゃってるよ。もうみんな知ってるだろうけど」

こういうネットゲームの世界では、本名を出す事はタブー視されている。
でもここに居る面子はみんないい奴らばかりで、この戦いが終わったらみんなで集まろうという話になっていた。
だから今更本名がバレようが身バレしようが大した問題ではなかった。

カッチ「こうなってくると他はどう動くかな?そして日本はどうすべきか」
月読命「俺だったら地球を取りに行くな」
天照皇大神「流石久弥くん~同盟関係無しだねぇ~」
じぇにぃ「それって同盟破棄するってことぉ~?」
月読命「まあね。でもそれはおそらくやらんだろうな」
カッチ「強気にって言ったって、そういう所までは変われんよ。でも確かに地球は欲しいな」
チョビ「となるとアメリカやイギリスなんかは、地球攻略にでるかもしれないね」
月読命「俺は確実にそう動くとみてるけどね」
カッチ「月読命の言う事だからあてにはならんけどなw」
爽真「そんな事したらインドはイギリスを攻めそうですよね」
光合成「そうなったら日本の現実的な選択はアメリカ攻撃よな」
カッチ「まあそうなったらね」
クシナダヒメ「なんにしても先輩のざれ事っす!考えない方がいいですよ!」
月読命「なんだと!日本ナンバーワンの国立大学に通うわしのいう事が信じられんのか!」
カッチ「えっ?マジで?」
月読命「うむ。ちなみに我が愛しの愛美‥‥天照皇大神は現役で合格しておるのでわしの一学年上じゃ」
クシナダヒメ「そうだったんですか!」
月読命「知ってるだろうが!」
カッチ「なんとなくだけど、アメリカとイギリスは地球を攻める気がする‥‥」
じぇにぃ「うん。私もぉ~そんな気してきたぁ~」
沖田艦長「世の中不思議がいっぱいじゃの」
カッチ「沖田艦長!!」

月読命の言った通り、数時間後アメリカとイギリスが地球への侵攻を開始していた。
この辺りを予想していたのは、何も月読命だけではなかった。
俺もなんだかんだ言ってそろそろかと考えていたし、大将連中も想定していたようだ。
対応の準備は既に整っていた。

ジーク「予想通りアメリカとイギリスが地球への侵攻を開始した。そう簡単には落ちないと思うが日本はどうするべきか、みんなの意見が聞きたい。」
サイファ「普通に考えたら、地球を落とすのがアメリカであれイギリスであれ、最も優勝に近い国になるだろうな」
ビューティフルベル「最後は地球を持つ国と持たない国で勝敗を決する事になるわね。そして今手に入れた方が地球を別のどこかの勢力に落とされるなんて思えない」
グリード「ここで手に入れたアメリカかイギリスのどっちかが、銀メダル以上を確定させるって感じか」
ジーク「モンゴルがヘマをしない限りは、落とすまでに1ヶ月は掛かるだろう。」
サイファ「その間に俺達はどげんかせんといかんってヤツね」
グリード「モンゴルを助けるって手は‥‥ないよな。台湾防衛の時に難しい事は嫌というほど分かった」
ビューティフルベル「助けるなら直接は難しいから、間接的にって事になるわね」
紫陽花「結局前々から考えていた通り、アメリカを攻撃する事になりそうね」

結局そうなるよな。
でもそれで本当にいいのだろうか。
例えばアメリカが地球を手に入れたら、残るイギリス、インド、ロシア、フランス、そして俺達日本で挑戦権をかけた争いになる。
おそらくそこにアメリカが介入し、仲の良いイギリスか、現在最も戦力が弱いフランスを支援して勝たせようとするだろう。
イギリスが地球を取っても同じことだが、アメリカが月を持っているから、むしろこちらの方が厄介か。
正直今アメリカやイギリスを攻撃して地球を守る事は不可能だと思う。
となれば、どちらかが地球を手に入れた時、日本にとって最も望ましい形を目指して戦うのがいいのではないだろうか。
つまり、これからの1ヶ月でロシアとフランスを叩く事だ。
インドはイギリスを攻撃するだろうから、地球を取るのはおそらくアメリカ。
その時、戦いに疲れたイギリスとインドだけが残るのなら、一気にイギリスを叩く事で勝機があるのではないだろうか。
机上の空論かもしれないが、そもそもこれはリアルの戦争ではなく、ルール仕様がハッキリとしているゲームだ。
机上の理論が正解である可能性は高い。
そんな事を考えていた俺だったが、特に発言はしなかった。
結局インドがイギリスに侵攻を始めた事をきっかけに、サイファ、紫陽花、ビューティフルベル師団はアメリカに向けて侵攻を開始した。

アメリカとイギリスが地球を攻撃し始め、それに対して日本とインドが邪魔をしようと頑張っている間、俺達は独自にロシアの要塞やコロニーを落としていた。
有人要塞を落とそうという話もあったが、今ロシアに敵視されるのは避けたい。
要塞やコロニーが取ったり取られたりは常に起こっている事なので、この程度で目を付けられる事はないのだけれど、これ以上はできずにいた。

カッチ「このままだと確実に負けるな」
月読命「第二次世界大戦同様、強い兵隊がいても戦略戦術がダメなら負けるよ!(キリッ!」
天照皇大神「流石久弥くん~天才軍師~」
光合成「無謀な戦争をしかけたと言われてはいるが、敗因は資源の無さと上層部の無能さだよな」
爽真「このゲームの状況は似ていますね。歴史は繰り返すと言いますし」
じぇにぃ「鬼畜米英とかぁ~言ってる人もいるよねぇ~」
カッチ「確か米英が同盟破棄を言ってきた時、そういう声は多かったな」
クシナダヒメ「あの頃の本当の敵はソ連だったのではないでしょうか」
月読命「それがいつの間にかアメリカが敵になっていた」
爽真「やっぱりそっくりですね。本来はロシアをなんとかする場面なのに、攻撃対象はアメリカになってます」
カッチ「もう守れない地球は捨てるべきなんだよな。ちょっと聞きたいんだけど、フランスなら俺達だけでも倒せると思うか?」
天照皇大神「久弥くんがいるから余裕だよぉ」
爽真「僕がいるから楽勝です」
じぇにぃ「直幸くんがいるから行けるでしょ」
チョビ「カッチがなんとかしてくれる」
カッチ「だったら、とりあえずフランスを落とさないか?そしたらロシアも対地球なり対日本なりに動くだろうから、嫌でも日本はロシアを相手にする事になる」
光合成「最初からロシアをターゲットにする手もあるが、どこかの師団の協力は必要になるな」
カッチ「だけど、俺達だけでまずはフランスを落とす方が楽しくね?」
月読命「だなw」
じぇにぃ「賛成ぃ~」
沖田艦長「それに艦船での戦闘を試すのに丁度いい相手だ」
カッチ「沖田艦長!」

こうして俺達は、アルタイル要塞奪還とフランスを屠る為に出撃するのだった。
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