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第三十話 同盟破棄!鬼畜英米!

日本は、アルテミス要塞を手に入れた事で、国力でイギリスを抜き第2位となっていた。
有人要塞数でもアメリカと並びイギリスに次ぐ7基所持。
まだまだ残るどの国にも優勝の可能性がある状況だけれど、日本の優勝可能性はかなり高まってきた事は間違いないだろう。
半月以内には中国を屠れそうだし、日本無双が加速しそうな気配だった。
しかし、各国がそれを黙って見過ごすはずはなく、日本にとって最悪な情報が続けて入ってきていた。

ジーク「イギリスはまあ予想していたが、アメリカとカナダまでもが同盟破棄を通告してきた。」
サイファ「アルテミス要塞を手に入れて、一気に日本は強力になってしまったからな」
グリード「もう少し有人要塞化は待っても良かったか」
ビューティフルベル「やってみないと分からない事もあったし、どちらが良かったとは言いがたいわね」
ジーク「実際アルテミスの生産力は助かるし、中央エリアに睨みを利かせられるのは大きいな。」
サイファ「デブリ帯の通り抜けには限界があるし、中央エリアを抑えられるのは助かる」
ビューティフルベル「これで守りの面を考えれば、問題は第6エリアからのイギリス軍の侵攻だけになるわね」
グリード「やはりスコーピオン要塞をイギリスにとられたのは痛かった」
ジーク「まあ今更言っても仕方がない。同盟破棄には1週間の猶予がある。その間になんとか中国を倒して守りを固める必要があるな。」
サイファ「中国を残せば、日本がヤバい」
紫陽花「そうでなくてもこれからの戦いは厳しいものになりそうね」

同盟破棄が成立する1週間後、おそらくアメリカとイギリス、そしてカナダにオーストラリアも加わって、我ら日本に対して攻勢をかけてくるだろう。
流石にそれだけを相手にして勝てるとは思えない。
その上中国もとなればなおさらだ。
今、中国が持っているキャンサー要塞に対して、インドとイギリスが攻撃をしているが、この辺りでイギリスは引いて中国と和平するかもしれない。
現状の話ではあるが、中国単独ならもう脅威ではない。
イギリスにとっては残っていてもいなくても大して変わらないだろう。

和也「俺がイギリスの立場なら中国を仕留めておきたい所だが、日本に対してと考えると残しておく選択肢もあるか‥‥」
陽菜「ん~イギリスがそんな事するかな」

陽菜の言った通り、イギリスはその後も中国に対して攻撃を続けていた。
そして8月15日の早朝にはキャンサー要塞の持ち主は中国から変わっていた。
ただここで予想と違っていたのは、キャンサー要塞を取ったのがインドであった事だ。
これはかなり助かったと言わざるを得なかった。
これで中国の有人要塞は、残す所あと1基。
リゲル有人要塞だけである。
おそらく時間さえかければ、間違いなく勝利は可能だ。
しかし我々にはタイムリミットがある。
数日中には落とさなければならない。
お盆休みではあるけれど、社会人がガチで戦えるのは16日の日曜日までだろう。
できればここでけりをつけたいものだ。

ジーク「そんなわけで、今日は終戦記念日ではあるが、これから中国との最後の戦いだ!サイファ師団、紫陽花師団、ビューティフルベル師団は合流してリゲル要塞へ向かえ!」
サイファ「オーストラリアが動く可能性があるけど、守りは大丈夫か?」
ジーク「心配ない。ついでと言ってはなんだが、ドリームとカズミン、アライヴと今日子は元の師団に戻す。俺はアルテミス要塞で防衛、美菜斗にはビスケス要塞での防衛を頼む。」
グリード「おいおい、そんなんでマジ大丈夫なのか?このゲームは元帥が落とされたら終わりだぜ?」
ジーク「問題ない。アルテミスは1日やそこらで落とせる要塞じゃないしなw」
ビューティフルベル「それに何やら強いプレイヤーが元帥の所にいるって話を聞いたわ」
ジーク「まあそういう事だ。俺も勝つために色々と考えている。心配しないで勝ってきてくれ!それとカッチ旅団は好きにしてくれていい。」
カッチ「お、おう。じゃあ一緒に遠征に参加するよ」

そんなわけで、俺達カッチ旅団は3師団の対中国最終決戦に参加する事になった。

月読命「よっしゃー!祭りじゃー!この戦いに勝利して、俺は少尉になってやるぜ!」
天照皇大神「久弥くんかっこいい~!ふぁいとぉ~!」
カッチ「なんだかんだでもう曹長か。伊達に俺達の大将ではなかったって事か」
月読命「当たり前じゃよカッチくん。全てこの私に任せておけば間違いないのじゃ」
クシナダヒメ「はぁーなんだかんだ上手く行っているけど、振り回されるのは疲れるのですじゃいー」

俺はチャットでこんなやり取りをしながら、部屋に集まっている面々とも笑って楽しい時間を過ごすのだった。
アルテミス要塞に近い宙域で集合した後、目的地までは1時間半から2時間くらいだ。
俺達の師団だけならもう少し早く到着できるだろうが、色々な艦船が集まる今回の艦隊では、少し時間がかかった。
それでもおそらくは邪魔も入らない状態で中国と勝負ができると思っていた。
しかし俺達の考えは甘かったようだ。

サイファ「既にイギリスが来てるしwキャンサー要塞攻略後そのままこっちに来たな」
グリード「それに何故かアメリカやオーストラリア、カナダまでいるぜ?」
ビューティフルベル「これは厄介な戦いになりそうね」

まさかと思う状況だった。
最悪イギリスが来ている事は想定されていた。
ただその場合でも、有人要塞攻略には暗黙のルールがある。
同盟国同士が別の敵に対峙する時、要塞をはさんで反対の位置で行動するのが当たり前だ。
つまり、どちらが先に有人要塞を落としても恨みっこ無しの競争になるわけである。
しかしイギリスだけでなく、アメリカやオーストラリアやカナダがいるとなると、もう各勢力入り乱れての戦いとなる事は明らか。
そしてそれらの国々はおそらく裏でつながっているわけで、日本がリゲル要塞を攻略できる可能性は無きに等しいと言わざるを得なかった。

紫陽花「既にイギリス軍が要塞内部へと入っていったわね」
グリード「こりゃもうどうにもならんな」
サイファ「それにもしもだけど、要塞だけ奪ってこのまま中国の元帥をかくまうような事になれば、俺達手出しできなくね?」
ビューティフルベル「中国はもう敵ではないけれど、この後アメリカやイギリスを相手に戦っている中で中国にウロウロされたらたまったもんじゃないわね」
紫苑「とはいえ、此処は一旦引くしかないだろ。ぼさっとしてないで少し撤退するぞ!」

突然でてきた紫苑さんの言葉に、少し惚け気味だった俺達は我に返り、こちらに向かってくるオーストラリア軍と接触する前にこの領域から離れた。
そしてとりあえず一番近い要塞辺りに戻って待機していた。

サイファ「既に先ほどリゲル要塞がイギリスによって落とされたというメッセージが流れた。しかし中国が滅亡したというメッセージはない」
グリード「元帥がいなかったって話はないか?」
ビューティフルベル「美菜斗さんの情報では、その可能性はなさそうね」
サイファ「もう行方を眩ますにしても、ちょっと難しいんじゃないかな」
グリード「だとしたらやはり要塞の中でかくまわれているっつーか、捕獲されてるんだろうな」
紫陽花「戦闘不能、或いは航行不能一歩手前までやられて、そのまま抑え込まれているんでしょうね」
グリード「こりゃお手上げだな。鬼畜英米め!」

全く、よくもまあこんな手を思いつくものだ。
このままイギリスやアメリカの思惑通りになるとしたら、それらを相手にしながら、在野でゲリラ活動をする中国の対応もしなければならないくなる。
そうなったらもう日本の勝利はなくなるのだろう。
しかしそんな事を考えていた矢先、思わぬ索敵情報が入ってきた。
なんと中国の一団がこちらに向かってきていたのだ。
中には元帥の旗艦も確認できた。

サイファ「どゆこと?(笑)」
ビューティフルベル「生き恥をさらしたくないとか、そんな所かもね!」
グリード「流石に中国だからな。そんな事はプライドが許さないんだろうな」
サイファ「なんにしても最悪は回避できそうだ。全員出撃!」
ビューティフルベル「了解!」
紫陽花「了解」
カッチ「了解」

こうして中国との最後の戦いが始まった。
真っ先に出撃した人型はドリームだった。
向こうから来る関羽に真っすぐに向かっている。
こりゃ、最後は1対1の戦いになるのだろうか。
続いてカズミンが劉邦へと向かっていた。
一生くんは項羽へ、今日子はドラゴンへそれぞれ向かって行った。

和也「俺達は手だしできる雰囲気じゃないなw」
太郎「関羽ともう一度勝負したかったのに!」
和也「まあまだドリームが勝つとは限らないし、今日子って人がどれくらいできるのかは分からないから、出番はあるかもしれないぞ」
リナ「そうそぅ~それにさぁ~、夢さんはまだ関羽に勝った事ないらしいよぉ~」
和也「そうなんだ?このフィールドなら有利不利も無いし、本当にどちらが強いかがハッキリするね」
陽菜「ん~やっぱり夢さんは関羽におされてるみたい」
えり「アライヴはちょっと勝ってる感じがする」
リナ「流石だねぇ~やっぱり日本では最強だねぇ~」
太郎「そんな事ないっすよ。僕が一番です!」
和也「まあ今回はトイキも一緒の2人乗り機だから、更に安定して強いんだろうな」
えり「カズミンは互角か。でもこの様子なら勝ちそう」
陽菜「カズミンさんは強そうに見えないのに強いからね」
えり「今日子はヤバいな。助けた方がよろし」
和也「だな。戦いたいなら太郎くん行ってきたら?」
太郎「ドラゴンか。まあいいや!軽く倒すか」

そう言って太郎くんはドラゴンに向かっていった。
さてしかし‥‥確かにみんな強いし信じられない動きをするんだけど、なんとなく今の俺達ならなんとかなるような気がするんだよね。
勝てないまでも負ける気がしない。
俺達が2人乗り機だってのもあるけど、怖さは全くなかった。

太郎くんが参戦して、今日子は別のプレイヤーに助けられていた。
さて、太郎くんがドラゴン相手にどれくらいやるだろうか。
部屋でコントローラーを操る太郎くんには余裕がある。
おそらく負ける事はなさそうだった。
その余裕通り、ドラゴンには一歩もひけはとらない。
有利に戦いを進めていた。
一方ドリームは、更に関羽に押され始めていた。
そしてやはりというか、予想通りというか、関羽には勝てなかったようだ。

陽菜「あっ!夢さんがまともに攻撃をくらった!」
えり「これは負けたかな。チサトやウララが助けに向かおうとしているわね」
和也「ここは俺達が行こう!」

無意識に言っていた。
俺は既にフェンネルを飛ばし、ドリームを助ける為に援護射撃を行った。
それに合わせて陽菜も反応し、俺達のスサノオは全速で関羽へと向かっていった。

カッチ「関羽は俺達がやるよ!」
ビューティフルベル「そう?まあそっちの方が速かったし、おまかせするわ」

中国との最後の戦い、俺はなんとなく自分の手で勝ちを確定させたかった。
美鈴たちの手を借りず、1対1で。
負ける気はまるでしなかった。
その通り、俺と陽菜は関羽相手に有利に戦った。
相手はパワー型でスピードカスタマイズされている機体のようだ。
相性としてはあまり良くはないけれど、関羽の攻撃はことごとく陽菜が防いでくれる。
俺は安心して攻撃が可能だ。
守りを全く考えず攻撃だけに意識を集中する為、視野が広く持てる。
普段なら絶対に気が付かない隙がよく見えた。
俺はあっさりと関羽を仕留めていた。
その後しばらくして、モニターの左上に『中国滅亡』と表示されていた。
チサトが元帥旗艦の破壊に成功していた。
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